リストランテ ピーニャ アルテッツァ ristorante Pigna Altezza 高知の新鮮な食材を生かした創作イタリアン 高知 2012年

ピーニャ アルテッツァ 高知の新鮮な食材を生かした創作イタリアン 2012年10月
高知のレストランもあちこち訪ねてみた。この数年で開店した店もたいていは行ってみた。その結果だが、アルテッツァに月に数回通っているのが現状である。他の店もそれなりに頑張っているのだが、月に数回も通う気にはならない。
アルテッツァのシェフは「たまたま私の好みと店の味が合っているだけだ」と言うのだが、私はそうは思っていない。
私の満足できるレストランは世界に3つしかない。タイのサムイ島にあるザゼン、インドネシアのバリ島にあるモザイク、そして高知のアルテッツァ。
この3つに共通するものを上げれば理解していただけると思う。
@ シェフが必ず全ての料理を責任もって仕上げていること。
少し店が流行ってくると、すぐに従業員を雇い、料理の分業が行われる。その結果、料理の質が落ちていく。高知のレストランにもけっこう有名なシェフはいるが、その人がいつも作っているのではなく、レシピに従って見習いの従業員が作っていたりする。そして最悪の料理ができあがる。
アルテッツァは全ての料理がシェフにより監修されている。もう何十回となく食べているが、非の打ち所がない。これはすごいことだ。どんなシェフでもたまには失敗しそうなものだが、まだ一度もハズレがない。
A 地元の食材が生かされている。
バリ島のモザイクでは、料理の前にその料理に使われている食材が少量づつ運ばれてくる。初めて見る食材も多い。そしてバリ島の食材やバリの香辛料などをたくみに生かした創作フレンチが運ばれてくる。いままで食べたことのないフレンチが驚きと感動を生む。
サムイ島のザゼンではサムイの食材、香辛料を使った、世界のどこにもないイタリアンの料理を食べに世界中の国々の人が連日、小さなホテルのレストランにつめかける。
アルテッツァも同じだ。高知は特になにも自慢するものがない田舎だ。でも、野菜や果物、魚介類はおいしい。トマトやナス、小夏や文旦、新鮮な魚たち。これだけは自慢ができる。
アルテッツァの料理を食べていて、なんでただの大根がこんなに美味しいんだろうと思う。
アルテッツァのシェフと話をしていて納得することがあった。「もしアルテッツァで出している野菜のバーニャカウダを東京で出したら大変な値段になる。」そのとおりだ。というか、東京では不可能だろう。この料理は新鮮な野菜が手に入る高知でしかできないと思う。東京まで持っていったら、野菜の美味しさも、魚の新鮮さも落ちてしまう。
イタリアンでもフレンチでも、これがイタリアンだフレンチだという決まった味はないと思う。腕のいいイタリア人のシェフがタイの現地の新鮮な食材や香辛料を使って、イタリアンを作れば、世界中の人が美味しいという料理ができあがる。
高知でも、高知の自慢の野菜や果物、魚介類を使って腕のよいシェフが作れば、世界のどこにもない、絶品のイタリアンができあがる。
こんなおいしい料理を、飛行機に乗らずに食べに行けることを幸せに思う。
先日、カナダからきたフレンチカナディアンの友人をアルテッツァにつれていったが、「信じられないぐらい、おいしい」と言っていた。
私も心の中で「そのとおりだ」とつぶやいた。
アルテッツァの基礎データ 2012年10月
住 所 高知県高知市南川添7-1
電 話 088-861-3366
営業時間 18:00 〜 21:00 / ランチ : 11:30 〜 14:00
定 休 日 火曜日
だいたい6組〜8組ぐらいの客で満席となる。小さな店なので美味しい。
大きな店になると味が落ちるので、このままでいてほしいのだが、自分たちの座るテーブルがないのも困る。
ネットにこうして書くのは、自分で自分の首を絞めているようなものだが・・・
アルテッツァのランチ 2012年10月
パスタランチの前菜のサラダ。野菜がたっぷり、美味しい。たくさんの野菜が食べられるのがうれしい。
ランチはとってもリーズナブル。
パスタランチは2種、魚のランチとお肉のランチ、ワンプレートのランチなどがある。
ランチタイムはいつも満席、待っている客もいる。
お魚のランチの前菜のあさりと野菜のサラダ。
自家製パン。3種類のパンがつく。おいしい。
お魚のグリルにたくさんの野菜がついてくる。
この野菜は、少し熱が加えられて、やさしい味付け。それぞれの野菜が実においしい。
お魚のランチを頼んでいるのだが、実は野菜のランチでもある。
ここの野菜は褒められて伸びるタイプだ。
美味しい。美味しいと言われて、それぞれの野菜が個性豊かに味を引き出している。
パスタランチのパスタ。鱈と(野菜の名前を忘れた)のトマトソース
無花果のタルトのドルチェ。
コーヒーか紅茶がつく。
妻と2人でパスタランチと魚のランチを頼めば、前菜2つとパン。パスタ1皿と魚の料理1皿とドルチェが出る。
それぞれたっぷりとした量があるので、2人でシェアして食べると、コース料理のボリュームがある。
昼からコースを食べて2人で2千5百円ほどだ。
いかにリーズナブルかわかるだろう。
アルテッツァのランチのパスタ 2012年10月
ランチのパスタは毎日違う。2種類ある。
毎日食べに行っても飽きないわけだ。
これはオイルベースのソース
これはトマトベースのソース。
高知のトマトは、とんでもなくおいしい。以前、シンガポールのレザミレストランでディナーを食べたら、高知産トマトが出てきた。
喜ぶべきか・・悲しむべきか・・・
シンガポールのレザミは世界のベスト100に選ばれたこともあるレストランだ。
わたしはアルテッツァのほうが美味しいと思うが・・
シンガポールのレザミレストランの公式HP
アルテッツァのディナーメニュー 2012年10月
野菜のバーニャカウダとチーズフォンデュー。
これは外せない。いったい何種類の野菜がはいっているのだろう。
いったいどれほどの手間をかけたらこんな料理ができるのだろう。
以前流行った言葉でいうと「野菜の宝石箱」・・・
唐辛子エビのグリル。
普段は鬼エビのグリルが食べられることが多い。
エビも季節がある。
鱈と秋豆のトマトソースのパスタ。
秋豆か・・・・季節を感じる
お昼もおいしいのだが、やはり真髄は夜の料理だ。
常に季節の食材が使われているので、毎週行っても、新しいメニューに出会えるだろう。
金曜や土曜の夜は予約をしておいたほうがよい。
せっかく来たのに満席で悲しげに帰っていく客を何度も見た。
地牡蠣と(野菜の名前を忘れた)のオイルベースのパスタ。
牡蠣は大好きだ。特に地牡蠣はおいしい。
アルテッツァのディナーメニュー 2012年11月
前菜 ナスと穴子のテリーヌ
極上のひと品
ナスと穴子がこれほどピッタリ合うなんて、だれが思うだろう・・・
前菜 鬼エビのグリル
高知で鬼エビが食べられるのはここだけかもしれない。
今年は鬼エビの漁がよくないそうで、やっと入ってきた。
鬼エビは頭がでかいので、身が少ないと思うかもしれないが、実は頭の部分がおいしい。
他のお客がいると迷惑かもしれないが、頭の部分においしいスープがたくさんはいっているので、頭をもいで中身をチューチュー吸う。
こんな下品な食べ方をして・・追い出されるんじゃないかと思う
パスタ イタリア産からすみとアオリイカのパスタ
これはおまかせで頼んだ・・
おいしいものを食べる秘訣として、シェフにおまかせがある。
その日の食材の中で一番美味しいものを知っているのはシェフなので、シェフにおまかせが一番おいしいものが食べられる。
この日は、オイルベースでおまかせした。
無言で食べる・・・しゃべると・・おいしさが逃げてしまいそう・・
これはシェフのお勧め・・・うずらを巻いた料理・・名前は聞かなかった・・
通常はシェフが出てくることは少ない。ときどき厨房の中を見ると・・料理と格闘しているシェフの姿が見れる。忙しくて、とても外に出てこれるような状態ではない。
この日は、私たちが行くのが遅くて・・仕事が終わるのがおそかった・・最後の客になったので、出てきてくれた。
メニューにはないのだが、こんな料理ができるよと教えてくれた。こういうといは絶対に外してはダメ・・極上の料理が出てくる。
帰り道・・きょうの料理の味をもういちど思い出しながら車を走らした。
アルテッツァのディナーメニュー 2012年12月
アオリイカのイカ墨とポルチーニ茸のパスタ。 これがメニューにあるときは、外してはならない。私は他の店のイカ墨は食べることができないのだが、ここのは実においしい。